『いいコンセプトだね』 や 『コンセプトを明確にしないと!』
仕事をしているとよく聞くこのフレーズ。でもコンセプトって何かを説明して!って言われると困りませんか。
コンセプトという単語を調べると「概念、観念、骨格」って書かれています…。
では、
『いい概念だね』 や 『骨格を明確にしないと!』
と言い換えるとピンときましたか?(笑)
おそらく、多くの方は『何となくわかるんだけど、説明してって言われると困る』感じではないでしょうか。
WEBサイトもそうですが、商品・サービスを作るときには必ずコンセプトが必要です。
“コンセプトとは”をしっかり理解すると、WEBサイトがより魅力的になるはずです。
コンセプトの考え方を解りやすく(?)説明してみましたので、みなさんも参考にして下さい!
ちなみに、Googleのキーワードでコンセプトを調べると、関連ワードに「意味」「わかりやすく」と出ます。やっぱりみなさんモヤッとしてるんですね(笑)
目次
コンセプトの考え方を解りやすくまとめました
そもそも、なぜコンセプトが必要なのか
簡単に言ってしまうとコンセプトは“消費者(お客さま)”と“商品・サービス”を結びつける役割をするものだからです。
だから、コンセプトがぼんやりしていたりしていると、消費者と結びつけてくれなくなって、伝わらない、買ってくれない、となるのです。
コンセプトの要素を考える
コンセプトは基本三要素の、ターゲット(それは誰に向けて)、シーン(それはどんな時に使われるのか)、ベネフィット(それを使うとどんな良いことがあるのか)が骨格になります。
また、そのコンセプトは競合との差別化(Difference Points)はできているのか、ベネフィットを信じる理由(Reason To Believe)は何か、などでコンセプトをより有効なものにしていきます。
ターゲットを考える
ターゲットを決める際によくあるのは「どんな人に使って欲しい(来て欲しい)」のかを想像して『この商品に使って欲しいのは、30代前半の意識高い系OL!』という決め方をよく目にします。
それ自体は否定はしませんが(いや、絞りきっていないので本当はダメですが)、それって目に見えてるターゲットだけになっていて、目に見えるものは、同じ事をしようとしている他の人にも見えています。
例えば、以前ノンアルコールビールが発売された時に「車を運転するので飲めない人がターゲットでしたが、意外にも妊婦さんにも需要があって..」という担当者のインタビューをテレビで観た事があります。
つまり、ターゲットを決める際に、消費者の深い理解(insight)をしっかりすると表面化されていない不満やニーズを持ったターゲットを見つけ出す事が重要になってきます。
これとは別に“ペルソナを作る”という作業もあり、特にWEBサイトやポスターなどのクリエイティブを制作するときには必ず必要になります。先ほどの“30代前半の意識高い系OL”の絵を描いてって言われるとバラバラになってしまうと思います。
ペルソナの書き方はここでは述べませんが、どこに住んでて、どんな生活をしていて、土日は趣味のXXをしていて。。などイメージを作り上げる事で、その商品やサービスがどんな人向けなのか、関係者の共通認識を作り上げる事ができ、クリエイティブがビシッと決まってきます。
ベネフィットを考える
ベネフィット(便益)を表現するときのポイントとしては、「当たり前の事を打ち出していないか」「消費者の頭の中で情報展開できているか」「物理的なベネフィットと情緒的なベネフィットを組み合わせているか」などがあります。
特に物理的ベネフィットと情緒的ベネフィットのバランスは商品・サービスによって打ち出し方が難しく、例えば、お化粧品は明らかに情緒的ベネフィット(キレイな自分になれる等)が重要なカテゴリーです。
以前、自動車で「モノより思い出」というキャッチコピーでTVCMをよく観ましたが、本来、自動車は燃費や機能などが便益とされていましたが、ゆったりとした室内空間を情緒的ベネフィットに置き換えて訴求した例です。
当時、「チャレンジングな担当者だなぁ」と感心したのを今でも覚えています。
シーン・オケージョンを考える
これも消費者に気づきを与える事ができる要素の1つで、とても重要です。「こんな時に困っていませんか?」「こんな時に便利ですよ」に対して「それそれ、私が欲しかったのは」に繋げられると新たなニーズに応えられるかもしれません。
例えば、“部屋干し洗剤”はまさにここに答えた商品だと思います。ターゲットの住居環境やお仕事など社会環境を理解したオケージョン作りです。
これらの要素を何通りも作りながら、ブラッシュアップして、競合より魅力的なコンセプトを作ってください!
コンセプトを尖らせる?
私の中では「お客さまに気づきを与えられるコンセプト」がいいコンセプトだと定義しています。
コンセプトをシャープに尖らせて、お客さまに「それって私が欲しかったの。気づかせてくれてありがとう」って刺さる事が大切なのです。
それは、星の数ほど(?)ある同じような内容のサイト(商品・サービス)に埋れてしまって、ウォーリーをさがせ状態から脱出するためにもコンセプトを尖らすことはとでも重要です。
尖ったコンセプトは、大勢の赤いボーダーシャツの中から、みなさまの商品・サービスをきっと目立たせてくれるはずです。
これはサイト制作の話だけではなく、自分自身のブランディングや、新しくビジネスを始めるときにも必要な事ですね。
このサイトのコンセプト要素は。。(苦笑)
では、実際に「Sake-Life.com」のコンセプトを考える時に私が書き出した要素を紹介します。
このコンセプトを、トップページのキャッチコピーや検索した時の説明文(All in One SEO Packに入れるアレ)に展開します。
『Sake-Life.com』のサイトのコンセプトを構成する要素は次の通りです。
ターゲット | 脱サラしてこれから日本酒の通販ビジネスを考えている40代後半の個人事業主 |
シーン | とりあえず個人で酒販免許の取得をしようと情報収集のためにネット検索している |
ベネフィット | 酒販免許の取得だけでなく、サイト構築や海外マーケティングまで一通り自分でできるようにポイントが解りやすくまとめられている |
信じる理由 | どれも実際の経験を基にしているので、つまづくポイントがまとめられていて解りやすい |
競合サイトとの差別化 | 酒販免許については行政書士が情報を発信しているが、サイトの構築、マンションでの取得、証明書などの実際に発生が予測される重要な部分には触れられていない。 |
この要素をコンセプトに落とし込むと、
『“Sale-Life.com”は個人事業主が日本酒通販ビジネスを始めるためのサポートブログ』
となります。
このコンセプトから、トップページの写真の下に表記しているキャッチコピーを作っています。
『実践!酒販免許の申請からECサイト制作、マーケティングまでのノウハウを全て紹介!』
このサイトは誰に読んで欲しくて、どんな事が書いてあるのか、パッと読んでイメージがつきますよね?
(もう少しナイスなコピーがあるかもしれませんが…苦笑)
いかがですか? 表にすると整理ができて解りやすくないですか?
このように、コンセプトの要素を考え、骨格(!?)を作り、キャッチコピーに展開する。決してキャッチコピーから入らないように!
ちなみに、コンセプトは作るのではなく創る(Create)と言われます。お客さまに「そうそう、それそれ、私が知りたかった事は!」って思わせるコンセプトって素敵ですよね。
まとめ
- コンセプトは商品・サービスとお客様をつなげるもの。
- コンセプトの基本三要素はターゲット、シーン、ベネフィット。
- コンセプトは尖らせないとぼやけてしまって、埋もれて、結果的に繋がりが薄くなる。
- コンセプトは商品やサービスだけでなく、ビジネスなど様々なものに必要。