通販の酒販免許(通信販売酒類小売業免許)を申請する際の提出書類に、「酒類の通信販売における表示を明示したカタログ等(インターネット等によるものを含む。)のレイアウト図、申込書、納品書(案)等を添付してください。」とあります。
つまり、販売を予定しているECサイトの画面のカラーコピーの提出が求められます。
『えっ、まだ免許の認可もおりていないのにECサイトが必要なの?』
はい。
必要な文言やその文字の大きさ、見え方などを含めて、指導を受けなくてはいけません。
もちろん本番のECサイトで変更をしても良いのですが、基本的なポイントは変えてはいけないと理解しておくといいと思います。
また、ご自身でサイトを制作するにしても、WEB制作会社に外注するにしても、これらの基本的なポイントを知っておくとで手間や費用が削減できると思います。
ここでは、実際に私が指導を受けたポイントをみなさまへ紹介しますので、参考にして下さい!
- 注意:必ず管轄の税務署の指示に従ってください。
目次
はじめに
みなさんも今後されると思いますが、私もいくつかの大手のお酒の通販サイトを参考にしながらダミーサイトを制作しました。
サイトの審査を受ける過程で、気をつけておきたいのが『参考にした他のECサイトはこうやっているのに、なぜダメなのですか?』は通用しないという事。
なぜなら、その参考にしたサイトが正しいとも限らないからです。
あくまで審査するのも、承認するのも、みなさんの管轄の税務署の指導官なのですから、その見解に従うのが正しいという事です。
みなさんも『ええ〜なんで〜!あの大手サイトがやってたから真似しただけなのに!』を経験するかもしれないので、はじめにお伝えしておきますね!
指導されやすい3つのポイント
「重要基準」の未成年者の飲酒防止の表示は細かくチェックされます!
店頭やパッケージラベルによく見かける『未成年者の飲酒は法律で禁止されています』という文言。
これは「重要基準」で、違反すると罰金と場合によっては販売業免許を取り消されることもあるのです。
この表示をサイトに必ず表示しなくてはならないのですが、当初、私は他の大手酒販サイトがやっていたように、その文言をフッターに表示していました。(↓参考にした大手酒販サイト)
しかし、
『消費者がスクロールして最下部までいかないと表示が見えないため、読まずに購入ボタンを押せてしまいます』
『画面上部でスクロールしなくても見えて、目立つ色で表示するように修正してください。例えば、ヘッダーのところに赤などで目立つ色で入れたり。。とか』
さすがにヘッダーに赤では入れたくなかったので、サイドカラムの一番上部に配置し、色を目立つ色に変え、フォントサイズを1まわり大きく変更して対応しました。
また、サイドカラム上部に入れた理由は、『この文言は購入するページ、確定するページなどにも同様に記載するように』との受けた指導に対応できるからです。
全ページをサイドカラムの設定をしておくと、全てクリアになりますから。
どちらでも良いこの表記とマーク(笑)
大手の酒販サイトに『妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の・・・』という文言も見受けられたので入れておいたのですが、重要基準では無いので、あっても無くても良いそうです。また、よく見かける黄色い手のマークは(使用の権利を確認した上で)お好きにとのこと。。。
年齢確認とは..年齢を記載してもらうことです
当たり前ですが、お酒は20歳以上にならないと飲めません。
販売する側は、年齢が確認できなければ、販売してはいけません。
通販サイトでの年齢確認の方法を見ていると、意外とマチマチ。
私の場合、設定が楽だったので、初めはカートの確定ボタンの上に、“私は20歳以上です”という表記と、チェックボックスをつけて対応していました。この大手のサイトと同じように。。
しかし指導官より、「手引きには『申込者の年齢記載欄を設けた上で、その近接する場所に「未成年の飲酒は法律で禁止されている」又は「未成年者に対しては酒類を販売しない」旨が表示されていること』と書いてありますよね」とのお言葉。
『チェックボックスは “記載” にならないので、消費者に入力させるようにしてください』
「確かに書いてあるけど、20歳以上が確認できたらいいんじゃないのかい?」という質問をしたくなる気持ちを抑えて、TEXTボックスを作成して対応しました。
対応方法は、HTMLでformタグを入れても良かったのですが、WooCommerce Checkout Field Editor Proという便利なプラグインを見つけてしまったので、それを使いました。
こんな感じになります。(名前と姓が逆なのは、越境EC仕様ということで許してください)
ちなみに、他社の酒販サイトではいろいろな方法を取っていましたが、どれが正かは、管轄の指導官のアドバイスが正とお考えください。
スマートだなと思ったのは、大手の通販サイトで、初めに登録する個人情報に生年月日を入力させて年齢確認する方法です。試しに、未成年で個人情報を登録してビールを買おうとするとこの表示が出て、前に進めませんでした。
かと思いきや、未成年で登録したにも関わらず、最後の確定ボタンで強制的に20歳以上になってしまう通販サイトもありました。(いいえ【 】に○を変更できない!)
私から見てもこれはダメでしょ。。
繰り返しになりますが、この方法でOKかどうかは管轄の税務署に確認してください。頑張ってphpを組んだはいいけど、ダメって言われると心が折れるので。
確認メール、納品書に重要基準の表示の必要あり!
手引きには、「酒類の通信販売における表示を明示したカタログ等(インターネット等によるものを含む。)のレイアウト図、申込書、納品書(案)等を添付してください。」とあります。
申込書とは、お客様が商品を注文した際に受け取る確認メールを指していて、納品書は商品に添付する現物を指しています。
そして、この2つにも「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」の文言が必要とのこと。
私の場合はWooCommerceでサイトを作ったので、納品書のロゴ設定ができます。そのロゴに“未成年の飲酒は法律で禁止されています”を画像として対応しました。
方法は、WordPressの管理画面から【WooCommerce】ー【設定】ー“プリント”のタグから入れられます。
ちなみに、文字の大きさを確認するため実物を印刷して添付書類として提出を求められました。
私はイラストレーターで文字の大きさを設定して作ったのですが、画像の大きさが調整されてしまって実際に印刷すると大きさが変わってしまうので、何度かやり直してフォントの大きさを調整しています。
みなさんも印刷しながら実寸を確認後に提出するとスムーズに進められると思います。
指導された特定商取引方に基づく表記の書き方について
基本的には「特定商取引法に基づく表記」の基本的な書き方にしたがって記載すれば大丈夫ですが、それでも2点の指導がありました。
- 販売事業者名:私の場合、個人事業として申請しました。会社の名称だけでなく、私の名前+会社名を書きました。
- 送料などの商品代金以外の付帯費用:私の場合、越境ECも予定していたので、対象の国に送った運賃や税金を記載した一覧表をリンクで貼りました。
このページまで酒販免許に関係するの?とは思いましたが、消費者が誤認しないように、消費者庁に代わってわざわざ指導していただいているので、ありがたく修正させていただきました。
同じような状況(個人で申請、越境ECをお考え)の方は参考にしてください。
まとめ
- 他の通販サイトが良くて、私のはダメなのかという考え方は捨てる。
- 外部のWEB制作会社に依頼する場合は、あらかじめ指導官に聞いておくと行ったり来たりしなくて済むと思います。
- 納品書は実際に印刷してポイント数をチェックしておく。